先日帝劇の近くに行った時に、10分間だけ時間調整する必要が出たので、出光美術館にちょっとだけ寄ってみました。景徳鎮1000年記念「中国陶磁のかがやき」という展示をしていたのですが、定番の北宋時代の青白磁から、大阪市立東洋陶磁美術館や個人の方からの元や明の時代の素晴らしい特別出展品(重要文化財)まであり、短時間でしたが、楽しませてもらいました。出光美術館の宋磁は、中学生の頃から何度も見たことがありますが、あの色や、口の造りの繊細さは、いつ見てもどこか清々しい感覚を憶えます。特別出展品の出来は見事で、今から700年も前にあれだけの大きさの磁器を造り、あれだけの絵と色を実現した技術と文化には感嘆させられます。陶磁器はあまり輝くものではなく、視線を吸い込むような美しさがありますが、しかしそれを見る者の心の中はじわっと輝いてきます。「陶磁のかがやき」という展示会の命名は、一瞬違和感があったのですが、流石蛇の道は蛇、的を射たタイトルだと感じました。