D−Dayからちょうど60年、昨日フランスで、連合軍によるノルマンディー上陸作戦の記念式典が開かれました。シラクはブッシュに対して、フランスはアメリカに対する60年前の恩義は忘れないと言い、一方初めて出席した独首相であるシュレーダーは、過去の過ちを認めると共に、今後の平和に対する強い決意を表明しました。
多分に外交ショーであることを割り引いて考えてみても、これは素晴らしいことだと思います。和解や平和は、偶然の産物でも、時間の経過と共に自然に醸成するものでもありません。和解は厖大な量の努力の上に生まれ、平和は長い年月に亘る努力によって形作られていくのでしょう。ヨーロッパの各国は、かつて互いに領土を争った間柄ですが、EUという経済圏を遂に作りました。昨日の式典では、イラク戦争絡みで雑音がある中でも、アメリカを呼んでかつての謝意を表し、そしてドイツの首脳をノルマンディーに招きました。これらは全て自然発生的のものの筈はなく、強烈の努力の賜でしょう。翻ってアジアの、特に日本と周辺国との関係を考える時、果たして我々は(日本も、周辺国も)これだけの努力を積んできたでしょうか?アジアが西欧から学ばなければならないことは、まだまだあると感じます。