先週の中国株ですが、上海総合指数と香港ハンセン指数は続落、深セン総合指数と創業板指数は反落と総じて軟調な値動きとなりました。上海総合指数ですが、連休明け、5月3日(火)は堅調なスタートとなりました。この日発表された4月のCaixin製造業購買担当者景気指数が49.4となり、市場平均予想の49.8や3月実績の49.7を下回ったことや共産党政治局が株式市場の健全な発展を促したことから、景気刺激策への期待が高まり、大幅高からのスタートとなりました。その後、4日(水)は小反落、5日(木)は小反発となりましたが、両日とも値動きは小さく、出来高も小さいもので方向感がない展開が続きました。

しかし、5月6日(金)は大幅反落となり、上海総合指数は50日移動平均線を割り込みました。特に大きな材料は出ておらず、むしろ前場は前日比でプラスとなる場面も見られたのですが、節目となる3,000ポイントを超えていける材料が無い中で、利食い売りに押されて続落となり、終値ベースでは3月以来の低水準に落ち込みました。なお、5月8日(日)には中国の4月の輸出(米ドル建て、前年同月比)が発表されています。結果は1.8%減となり、3月の11.5%増、市場予想の前年同月比変わらずを下回りました。また、4月の輸入も10.9%減と3月実績の7.6%減や市場予想の4.0%減少を下回っています。

一方、先週の香港ハンセン指数は急落と言っても良い下落幅で、前週末比で4.5%の下落となっています。香港市場は欧米の株式市場が軟調となったこともあり、連休明けの5月3日(火)は大幅続落でスタート。4月の中国のCaixin製造業購買担当者景気指数が予想を下回ったことも、香港市場では中国経済に対する先行き懸念に取られました。その後も欧米の株式市場や原油価格が軟調であったこと、また、5月6日(金)に中国本土株が急落したことなどから5月6日(金)まで続落となりました。

今週については、前述の4月の中国の輸出入についても香港市場ではマイナスに取られる可能性がある一方、先週末の米国株は反発して引けていますので、小高いスタートにはなると思われますが、引き続き欧米の株式市場と中国の経済指標の動向に左右されることになりそうです。なお、今週の中国の経済指標ですが、5月10日(火)に4月の消費者物価指数<市場平均予想+2.3%、3月実績+2.3%>が発表される予定となっています。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)