先週の中国株ですが、上海総合指数と香港ハンセン指数は反落、深セン総合指数、創業板指数は反発となりました。先週は中国本土市場も香港市場も4月4日(月)が清明節の祝日で休場だったため4営業日の取引となりました。
中国本土市場は連休明け4月5日(火)は大幅高。信用取引の規制緩和に伴う流動性拡大への期待感や、中国政府が推し進めている、銀行の不良債権の株価化(デッドエクイティースワップ)の進展を好感して幅広いセクターが買われました。6日(水)は利食い売りに押されたものの、この日に発表された3月のCaixinサービス部門購買担当者景気指数が52.2と、2月の51.2から若干プラスとなったことや深港通(深セン市場と香港市場の相互株取引)の早期開始観測などが下支えとなり、小反落で週を折り返しています。しかし7日(木)は小高く始まったのですが、その後、前場が引けるまで断続的に売られました。財務部が大手国営銀行の政府の持ち株比率の縮小を提言したことが要因となっています。後場に一度戻す場面もありましたが、終盤に再び売り込まれました。8日(金)もその流れを受け、窓を開けての下落からスタート。その後も米国の株安もあって、終日軟調なムードで終始し、週を終えています。
一方、香港株ですが、連休明け5日(火)は中国本土市場とは逆に大幅下落でスタート。こちらは米国株安と原油価格の下落が相場の重しとなり、時価総額の大きな銘柄が売られ、指数の足を引っ張りました。ただ、中国本土株が堅調に推移したこともあり、6日(水)は小反発。7日(木)も原油価格の大幅上昇を受けてエネルギー株が牽引する形で続伸。8日(金)は欧米株安を受けて安く始まりましたが、日本株の下落が一服して後場に入ってプラスに切り返すと、香港ハンセン指数も後を追うようにして引けにかけて急騰し、最終的には3日続伸で週を終えています。
今週は中国の経済指標の発表が続きます。まず、11日(月)に3月の消費者物価指数<市場平均予想+2.4%、2月実績+2.3%>、13日(水)に3月の輸出(前年比)<市場平均予想+10.0%、2月実績-25.4%>と輸入(前年比)<市場平均予想-10.1%、2月実績-25.4%>、15日(金)には3月の鉱工業生産(前年比)<市場平均予想6.0%>と3月の小売売上高(前年比)<市場平均予想>)と16年第1四半期のGDP<市場平均予想+6.7%、15年第4四半期+6.8%>。特に13日(水)に発表予定の輸出は市場予想通り+10.0%程度の回復となるか、注目です。
コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)