当社のオフィスからは富士山がよく見えます。
冬の朝は、薄青い空に真っ白と、夕暮れ時は、群青色のような色から橙色、そして何層にも色が重なったスペクトラムまで刻々と様子が変わっていく空に、シルエットとしてそびえ立っています。今日の夕空と富士山はとびきり綺麗でした。
強い北風が吹いていたのでしょうか、私から見て富士山の左側の肩に、雪煙のような雲がなびいていました。雲にしては光の遮り方が弱かったので、あれはきっと雪煙でしょう。どちらも空中の水分には変わりありません。
当社は19階ですが、富士山だけでなく甲州、武州、信州の山並みが見渡せます。全国各地に出張して先ず思うのは、どの都市でも回りを囲む山並みが見えることです。これは「関東平野は広いので富士山しか見えない」という意識からそう思わせるのですが、当社からの眺めを考えると、関東平野が広いからではなく、単に東京はビルが多いから山並みが見えないだけなのかも知れません。そんなことをふと思った夕暮れ時でした。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。