先週の中国株ですが、中国本土市場は旧正月の連休で休場となりました(2月15日(月)から取引再開となります)。一方、香港市場は2月10日(水)までが休場で2月11日(木)から取引再開となり、週間では2営業日の取引となりました。
その先週の香港市場ですが、香港ハンセン指数は大幅続落。連休明けの2月11日(木)は大幅反落からスタート。旧正月の連休中に日欧米の先進国の株価が大幅に下落していたことが要因です。その後、やや値を戻したものの、小幅な値動きに終始し、終日マイナス圏での推移となりました。原油価格が大幅安となったことから中国石油天然気(00857)やシノペック(00386)といった石油関連株が大幅安となったほか、神華能源(01088)といった石炭株など、資源株が全般的に下落し、相場の下落を牽引。続く2月12日(金)も続落です。日経平均が大幅安となるなど、アジアの株式市場全体が大きく調整したことから警戒感が強まりました。中国本土が旧正月の連休中であるため、中国当局の政策支援といった材料も無い中で、2日連続で非常に弱い株価推移となりました。
セクター別に見ると、下げている銘柄はほぼ業種に関係なく売られているのですが、比較的強いセクターは、やはりディフェンシブセクターということになります。以前から大きく下がってきたカジノ銘柄が短期的に反発しているといった例外はありますが、株価の堅調な上位銘柄の多くは電気・ガスなどの公益株か、通信株、REITとなっています。これらは香港市場に限った事でなく、米国や日本でも同様の現象が見られ、ディフェンシブ優勢の相場状況と言えます。
今週は中国本土市場が休み明けとなり、取引が再開されます。そして今週は週初より中国の経済指標が発表されます。2月15日(月)に中国の2016年1月の輸出<市場予想1.8%減、12月実績1.4%減>、輸入<市場予想3.6%減、12月実績7.6%減>、1月の人民元新規融資額<市場予想1兆9,000億元、12月実績5,978億元>などです。世界経済低迷から予想を下回る実績が出てくる可能性があり、これらの結果次第では中国当局がなんらかの市場対策を発表してくる可能性があるので要注目です。
コラム執筆:戸松信博