火星の6万年ぶりの大接近は、生憎都心では天候があまり良くなかったようですが、この夏はこの夜空のショーの為に天体望遠鏡が多く売れたことでしょう。私は星空を見るのが好きで、小さい頃兄と一緒に反射望遠鏡で天体観測をした思い出があります。望遠鏡で色々な星を見るのですが、結局殆どの星は単なる恒星ですから面白くも何ともありません。ただ単に丸く、白く、光っているだけです。惑星の方が表情がありますが、それも面白いのは土星ぐらいで、火星は出来の悪い恒星のような代物で、興奮からはほど遠いものでした。
そこで星座などを見る方向に興味が走り、望遠鏡ではなしに口径の大きい双眼鏡(7x50)で色々と夜空を眺めたりしました。定番ですが、星空を長時間露光によって地球の自転を目の当たりに確認出来る写真なども撮りましたが、出来上がると色も素敵ですし、それなりに感動したものです。
今でも出版されていますが天文ガイドは必須の書物で、初ラこと初歩のラジオと共に、誠文堂新光社には小さい頃の私の興味を随分刺激してもらいました。今はオフィスの中にトーマス・ルフという写真家の「Stars」という写真を飾っています。黒白の銀河や星雲を見ていると、頭の中を宇宙のジェット・ストリームが流れるようでいいリクリエーションになります。
折角の大接近ですから、今晩はいい天気になるといいですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
-
ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。