今年もやはりお盆が来ました。都内の道はガラガラです。祖先の魂が故郷に帰ってくるこの時期、日本中から多くの人が帰省します。当然大都市ほど、一時的に人口の減り方が大きくなります。私は特に帰省する先もないので、お盆はいつも東京にいるのですが、道も店も空いていて、なかなか快適だと思っています。特に寿司屋は実は狙い目で、今年も15、16、17日と築地の市場はお休みですが、水揚げされるお魚はその休みを避けて前か後に築地に来るように調整されるので、今頃は案外ネタが豊富です。一方客足は少ない−これは狙い目です。特に今年のようにしんこが出回るのが極端に遅くなり、ちょうど今頃が一番いい頃だと思うのですが、そんな時期に落ち着いて寿司を堪能できるとは、これ幸いです。
しかし思うのですが、何故物理的な重さを持たない魂が行くところに合わせて、物理的な重さを持つ生きた人間が大量に且つ長距離移動することになったのでしょう。合理的に考えると、逆の方が良さそうです(まぁ元々の「魂」というコンセプトが合理的ではない訳ですが・・・)。しかしこのような無駄こそが、経済の活力の源でもあったりしますから、これはこれでいいのでしょうね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。