今朝4−6月期のGDPが発表されましたが、予想外の強い数字で株式市場も騰がりました。実質GDPが前期比0.6%増(年率換算2.3%)となり、名目GDPも前期比0.1%増(年率0.6%)という3期ぶりのプラスとなったのですが、最大の要因はSARSの流行で海外旅行者が減ったことです。GDPの統計計算上、海外旅行の減少はサービス輸入の減少として扱われ、その輸入減少だけで名目GDPを0.4%も押し上げたとのことです。海外旅行しなかった人はやはりその分国内で消費もするでしょうから、SARSの影響による我が国のGDP増加はかなりの規模になるでしょう。
先日(7月30日)のつぶやきで、このように日本の人がもっと日本国内で消費するだけで、経済効果がかなりある筈だと書きましたが、思った以上の幅に驚きです。投資も経済もアメーバのように地球上を彷徨い、その行き先として人気になる国が、為替とともに強くなります。これからはもう少し国際の枠組みを意識した施策や行動を考えるべきかも知れませんね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。