マスコミなどに於ける遠近感の問題は今までに何度もつぶやきで触れてきました。しかし、やはりまた、このことについて話したいと思います。
私の懸念は、マスコミがあまりにもあらゆることを報道するので、情報の受け手側で遠近感を失ってしまっているのではないかという点です。或いは場合によっては、報道されるべき事が伝えられず、そしてその逆もまた起きてしまっている。私たちの『常識』や『判断基準』は、蓄積された情報を基礎に形作られている筈ですから、元々の情報の遠近、濃淡、取捨がずれていると、常識や倫理もずれてしまうでしょう。
オオカミに育てられた人間の子供は人としての感情や判断を持てないと言いますし、北朝鮮の人民が我々とは全然違う常識や倫理を持っているであろうことからも、このことは明かです。無惨な犯罪の様子と、常識を逸脱した犯罪者の言葉をそのまま報道することは、どのような効果を持つでしょうか?勿論、事実を伝えるということは重要なことです。しかしだからといって、あらゆる遠近感がそのまま良しとされるものではないと思います。犯罪者に対する抑制効果と助長効果。犯罪から身を守るのに役立つ情報と、犯罪者が犯罪を犯しやすくなる情報。正しい常識や倫理観の確認と、正しくない常識や倫理観への慣れ。知らされない不安からの解放と、知らされたが故の不安の発生。この問題はとても複雑で微妙です。しかしうっちゃってしまうような問題では決してありません。当然、「何をどのように報道するか」という問題を扱っているコミティーのようなものが各報道機関にあるのでしょうが、視聴率や販売部数の為に安易な方向に流れていないか、とても心配です。

追伸1:
昨日のつぶやきで、「一発触発」は「一触即発」の間違いでした。国語力の無さを露呈してしまいました。申し訳ありませんでした。

追伸2:
今晩、米東部時間の午前10時(日本時間、午後11時)から、グリーンスパン連銀議長が出席する下院金融委員会が始まります。その内容は、株式市場にも為替市場にも影響を与えるでしょう。先月末のFOMCミーティングの時は、発表されたステートメントの調子が以前よりも明るい、というか大きな問題は既に乗り越える目処がついた、ように読め、それがその後の市場の展開にも少なからず影響を与えたと思います。
今晩の議会証言も要注意です。今晩はインテルの業績発表もあります。こちらは設備投資についてどのような計画調整があるのか、個人的には気になります。今晩のマネックスFXも明日の東京市場も忙しくなりそうです。(だといいです)