変化は色々な所に起きているのかも知れません。或いは実態は変わっていなくとも、観測者の心理状態によって変化しているように見えることもあります。いずれにしろ、最近の日本は何かが変化しているように感じられます。最初に変化の兆しがあると言ったのは、スノー財務長官などのアメリカの政府もしくは市場関係者でした。大胆なりそな処理。首都圏のマンション発売戸数が(在庫数を減らしながら)伸びていること。新車販売台数も伸びていて、特に高級車の売れ行きが順調なこと。このような高額商品の売れ行きが総じて良くなってくるのは久しぶりではないでしょうか。
人々は、長い間下を向いて暮らしてきたことに飽きてしまったのかも知れません。政府は年金給付額を減らし、消費税率を上げるという2大タブーにも取り組みつつあります。国税庁長官と主税局長の年次が初めて逆転する人事が行われ、経済産業省においても外局の中小企業庁長官が初めて次の次官ポストと目される経済産業政策局長に就きました。巨人が首位を走っていたら、「あぁ今年も変わらない」と感じていたかも知れませんが、阪神が年間100勝ペースで首位を突っ走ると、流石に「今年は遂に何かが変わりつつある」と感じてしまいます。竹中大臣と福井総裁も、阪神の大ファンだと聞きます。
ここまで来ると、長期金利の乱高下も、もはや変化の兆しの一アイテムとまで思えてきます。変化しない事に飽きた国民の、変化を望むエネルギーの総和が、遂に変化を起こさせ始めたのでしょうか。変化の感覚に慣れてくると、人は変化を恐れなくなり、変化に前向きになっていきます。どうかこのまま変化のエネルギーが落ちないことを強く望みます。