今週から東証における手口が非公開化されました。このことには果たしてどのような効果があるでしょう。今年の2月5日につぶやきに書きましたが(同日の編集長の独り言にも書かれています)、匿名性が担保されることによって流動性の向上に繋がるのではないかという仮説を立てていました。
今週は売買高が極端に増加しています。その大きな理由は、やはり単に市場心理が好転して、個人を中心として売買が活発になったと見るべきでしょう。しかし同時に、もちろんこれはまだ時期尚早であり正確な分析が出来る由もありませんが、手口の非公開化によるメリットも上乗せされているのではないでしょうか。実際に投資信託のファンドマネージャーに直接聞いてみると、手口が非公開化されたので、自分の動きが外に読まれないという安心感から売買がしやすくなった、と言っている同業者が多いと言います。正しいインフラを作るには、大して意味を持たないような細かい考察の積み重ねが必要です。そしてマーケットに関する仕組みは、丁寧に、微妙な綾を理解する必要があります。今回の東証の決断は、市場参加者全てにとってメリットを与える可能性があると思います。

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