昨日から、アメリカでは連銀によるFOMC(連邦公開市場委員会)ミーティングが開かれています。日本では今日、日銀による金融政策決定会合が開かれましたが、FOMCミーティングとはまぁ、そのアメリカ版です。日本時間の今晩のミーティングで利下げをするかしないか、するなら0.5%か0.25%かといったことが決定され、即時公表されます。世界中の市場(為替、株式、債券の全て)参加者が、今晩のFOMCミーティングの結果と、連銀議長アラン・グリーンスパンが今のアメリカの状況をどう分析するかに注目しています。アメリカの株式市場や経済に関しては、好調説、不調であるが政策がうまく機能している説、不調節など、諸説紛々で、疑心暗鬼なところがあります。私は、不調であったが複数の政策を同時に強力に打ったことが功を奏して、嘘から真が生まれかけている、という説を考えています。もし仮にそうだとしても、最後の仕上げで0.5%金利を引き下げるのか、嘘から出そうな真を本当の真として信じさせる為に、敢えて利下げはしないで「経済は平気だ」とうそぶくのか、或いは中道を取るか。今晩は本当に興味津々です。まぁここまで注目を集めるということ自体が、グリーンスパンの傑出した手腕であるとも言えるでしょうね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。