ハイラム・ブロックとウィル・リーのバンドの演奏をまた聴きました。
ここ数年、毎年この時期に来日する彼らは、私にとっては初夏の風物詩のようなモノになりました。前にもマイケル・ブレッカーのことで書いたことがありますが、今回つくづく思ったのは、ライブ演奏は本当に間合いが肝要であるということです。ブレッカーは間合いに関してあまり上手でないと思うのですが、ハイラム・ブロック達は間合いの達人というか、それ以上に間合いについてとても真剣です。
今回、聴衆のノリが今一つ、いや今二つだったのですが、彼らはめげずに、執拗に、そして丁寧に聴衆との間合いを測り、そしてその間合いを詰める努力を終始怠りませんでした。乗らないお客さんに対してやけっぱちにもならず、押しつけもせず、しかし諦めずにタイミングを計ってしっかりとノリの渦に巻き込んでいく。彼らは真のエンターテイナーだと思います。かといって単なる商業主義、即ちお客さんに媚びっているだけかというとそうではなく、自分たちの音楽を伝える為に、そういう努力をしているのだと思います。彼らは本当に秀逸なコンビです。ちょっと歳を取ってきた感もありますが、これからも元気に演って欲しいと思います。