今日は日帰りで、というか午後だけの出張で仙台に来ました。今は既に東京に帰る新幹線の中です。仙台には生まれて初めて来ました。ほんの数時間、いや、街を観察する時間としてはほんの数十分しかなかったのですが、駅ビルの売店における「仙台名物」牛タンの数に圧倒されました。タクシーの車窓からも牛タン屋さんが何軒も見えたので、仙台市内で売られている牛タンの数たるや夥しいものでしょう。
しかしこの牛タン、どこから来るのでしょう?ロースやヒレであれば、一頭の牛から何枚も切れますが、舌は一頭から一枚しか取れない筈です。牛タンが売られている数だけ仙台牛がいるとすると、市内が牛で溢れていないと足りない気がします。売られている牛タンは観賞用に陳列されている訳ではありませんから、売れればそれだけ補充しなければいけません。そうするとまた多くの牛が必要になります。仙台牛は、舌が10枚もある特殊な牛なのでしょうか?或いはアロエベロ(ベラでしたっけ)のように、切っても切っても生えてくる、特殊なベロを持った牛なのでしょうか?そんな疑問を解消すべく、駅ビルの牛タン屋さんで、牛タンは買わずも牛タンのパンフレットを貰いました。
よく読むと、「仙台発祥」とか「仙台の味」とは書いてありますが、「仙台産」とはどこにも書いてありません。なるほど。これは仙台がプロデュースした「味」であって、仙台産の味ということではないようです。そう言えば駅ビルのお店の看板も「名品」もしくは「銘品」と書いてあって、「名産」とか「産品」とは書いてませんでした。なかなか複雑です。しかし折角の名品を食さずに帰ってきたのは残念でした。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。