本日、当社において外債の取り扱いを始めることを発表しました。第1弾は、世界銀行の発行する、豪ドル建て4.05%クーポンの4年債です。プレスリリースの中にも書いたのですが、マネックスはこの数ヶ月間いろいろな形でお客様に「異なる」、「新しい」、「多様な」投資機会を提供してきました。今年になってから、預金に対抗する貸株、ユーロMMFやヨーロッパ株式ファンド、中国株ファンド、バンガードのインデックス・ファンドを利用したファンド・オブ・ファンズ型の世界株式ファンド、外貨預金に対抗し、かつ、トレーディング・ツールとしても有用なマネックスFX。そして今回は外貨建債券。株式トレーディングに関する情報プラットフォームの充実や、ロング・ショート・モデルの案内などもしてきました。要は、単種類のリスクだけでなく、いろいろな形のリスク・プロファイルを個人のお客様にも取って頂けるように努力してきました。世界情勢は混沌としています。デフレも世界各地で進行している兆しがあります。金融資産の運用は、昔も今も容易な時代など1回だってありませんでしたが、それでもやはり、今は運用の難しい時代だと思います。そんな時に、やはり重要な投資原理は「分散」だと思います。しかし「分散」は広く誤解されていると思います。「分散」は単にいろいろな資産に投資を振り分けることではありません。「分散」の最大のメリットは、いろいろな投資機会が目の前にあり、簡単に手を出すことが可能になることにより、いつも最も投資効率のいいと思われる対象に投資を機動的にシフトできることにあります。皆様にも「分散」の意味について、今再び考えて頂ければと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。