私は日本食党です。朝はご飯つぶにふりかけ、昼は出前のそば。ここまでは判で押したように毎日同じで、夜はほぼ毎晩仕事のディナーなのですが、寿司屋に行くことがやはり多いです。
確かに寿司には全く目がないのですが、本当はそば屋に行きたいと密かに思っていることが間々あります。しかし仕事のディナーで「お寿司屋さんにしましょう」と言えば歓迎されますが、「そば屋にしましょう」とはなかなか言えず、いつも諦めています。仲のいい、しかも酒好きの友達とは、何と言ってもそば屋が最高です。玉子焼き、焼き鳥、板わさ。おつまみはせいぜいそんなものしかありませんが、圧巻はそばがきです。一般にお酒と炭水化物は合いません。炭水化物の甘さが舌をダレさせて、お酒の微妙な味わいが分からなくなってしまう訳です。これは多かれ少なかれ寿司飯でも同じ事ですが、そばがきだけは違う。甘みのないそばがきは、お酒と合う唯一の炭水化物ではないでしょうか。最後はもりそばを食っておしまい。短い時間ですが、微妙な味覚と香りに終始するそば屋は一番粋なお酒の飲み方だと思っています。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。