ヨルダンでの新聞記者による手榴弾爆発事故。なんとも暗い気持ちになります。一般の人が誰でも手榴弾を拾えた訳ではありません。記者であるからこそ、特別な地域に入ることもできたのでしょう。そういう意味で、マスコミには特権があります。その特権によって爆弾を手にし、それが人前で爆発し、死亡者が出た。しかし戦争地域でなくても、似たようなことは日常茶飯事で起きているのではないかと不安になります。
記者は特権により取材し、更に大きな特権によって活字とし、世間にその言葉を出すことができます。週刊誌なども含め、別に物理的な爆弾でなくても、結果的に或る人の社会的生命を絶っていることもあるのでないでしょうか。そのような特権があることの自覚、結果に対する責任感。そういったものが低下しているのではないでしょうか。個人の自由、人権という観点から、この事件は私の心をとても、とても暗くします。