個人向け国債に関して財務省に公開質問をしていましたが、本日その回答内容につき当社ホームページに掲載致しました。
(https://www2.monex.co.jp/j/kokusai/top.html)
今回私が知ることになったいくつかの事実の中で最も驚いたのは、我が国の財政均衡についてです。97年11月に成立した財政構造改革法の中で、財政赤字の対GDP比3%以下及び特例公債脱却は2003年を目標とする旨が明記されました。しかし翌年5月に改正法が成立し、財政健全化目標の達成年次を2005年度まで延長し、更にその年の11月には停止法が成立し、財政構造改革法全体の施行が当分の間停止されました。以来、この件に関して動きはないのです。
これらは勿論公開された情報ですが、我が国が財政均衡について正式なプランを持っていないという、唖然というか呆然とするような事実を皆さんは御存知でしたか?このような重要な事実は、公開されているだけでなく、結果としてきちんと説明、周知され、常に注意喚起される必要があると思います。それは政治家、官僚、マスコミの責任です。しかし将来の世代に対する責任としては、私たち国民自身にも大きな責任があるのではないでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。