あちらこちらで証券税制についての提案がなされています。
証券税制を考える上で肝となるのは、如何に流動性を上げるか、即ち参加者を増やして賑やかにするかということと、如何により多くの人に株式を保有してもらうか、の2点だと思います。どちらの論点も、如何に株式を魅力的にするか、というのが本来のポイントだと思うのですが、ここでは敢えて税制の効用に限って考えてみます。
参加者を増やす最大の鍵は「ややこしさ」をなくすことです。株は決して賭博ではありませんが、敢えて分かり易い比喩を挙げると、口座を開けてかつ確定申告しなくてはいけなかったら、あれだけ大勢の人が競馬をするでしょうか?また、キャピタル・ゲインに対する減税は勿論いいことなのですが、買って、売って初めて発生するキャピタル・ゲインについてどうこう考えるよりも、買い切って保有することに(政策としては)インセンティブを与えるべきです。それは例えば相続財産としての評価額を時価よりも大きく下げる、などがあります。何でもやればいい、とも言えますが、目的をしっかりと定め、合目的な制度を考え、選択的に、しかし徹底した形で実施すべきだと思います。