野茂が大リーグ100勝目を上げた。心からおめでとうと申し上げたい。しかし野茂は本当にカッコいい。先駆者としての苦労は並々ならぬものがあったと思う。野茂がいたから今のイチローも松井も存在する。しかし野茂は先駆者・開拓者としてだけでなく、困難も乗り越えながら黙々と努力を重ね、継続して実績を残してきた。この継続の力に、更に深く敬意を表したい。かつて野茂が大リーグでデビューした直後、アメリカで注目を浴びていた頃、私は当時勤めていたゴールドマン・サックスのNY本社に出張で来ていた。同僚は私に、「イズ・ノモ・ヒーロー?」と聞くので、なかなかの有名人だけどヒーローって言うほどでもないかな、と答えると、「イズ・ヒデオ・ヒーロー?」と聞き返してきて数分間押し問答が続き埒が明かなかった。彼は「英雄(ヒデオ)」と「英雄(エイユウ)」を掛けていたのだった。今は頓知もいらない。野茂はヒーローだと思う。ヒーローは生まれながらにではなく、努力と継続によって成り立つということを思い知らされた。野茂英雄、万歳!
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。