ビジネスのこと以外で、最近頭から離れないことが1つあります。大量破壊兵器(WMD)はどこに行ったのだろう。WMDを作っているから、或いは破棄していないから、国連決議1441違反である、というのが開戦の名目だった筈です。しかし今のところWMDは見つかっていません。いずれ発見されるでしょう。変な話ですが、そう願います。しかし市街戦になってまでも使用されなかったということは、本当になかった可能性もあると思います。いや、恐らく隠しているのでしょうが、カリフォルニア州よりも広い国土ですから、しっかり隠されていて、しかも在処を知っている人の数が極めて少ないとすると、見つからない可能性はとても高い気もします。見つからなかったらどうするのでしょう?パウエル長官が国連に提出したWMD疑惑の証拠文書、イラクがニジェールからウランを大量に輸入していた、というものは、何者かが偽造したものであったことが明らかになっています。
しかしそのことはアメリカ国内に於いても、或いは日本のような他国に於いても、それほど注目されていません。イラクの戦後は国連ではなく、「戦勝国」によってその枠組みが決定されていこうとしています。20世紀後半に作られた数々の国家間利害・意見調整の仕組みが機能しなくなってきています。京都議定書の騒動の頃から、雲行きが怪しくなってきました。つい最近でもWTO(旧ガット、世界貿易機関)の交渉が決裂しています。NPT(核拡散防止条約)も破棄されていくでしょう。世界大戦の終結からそろそろ60年。還暦と共に秩序が崩壊していくのでしょうか。新秩序は正義でしょうか?力でしょうか?それとも透明性でしょうか?これらのことが見えにくくなってきています。そんな中で明らかなのはただ1つ、アメリカは戦争をし、勝った。そしてこれからも(もし戦争をすれば)勝ち続けるだろう、ということです。