そろそろ花見の季節がやってきます。先日放映されたテレビ番組によると、江戸の花見は八代将軍吉宗によって創出された人工的なイベントであったそうです。故郷紀伊に近い吉野の桜を懐かしみ、王子の飛鳥山公園を吉野の山に見立てて桜を植樹し、花見客用の飲食店まで造らせ、更に念の入ったことには吉宗自ら飛鳥山に赴いて花見に興じ、この新しい江戸の娯楽をプロモートしたそうです。恐るべきビジネスマンです。更に墨田川など、江戸各地にその企画を広め、花見は江戸文化に昇華しました。大名との争いなど、殺伐としかねない社会を懐柔する目的もあったのでしょう。大名の嫡男は必ず江戸で育てさせて「江戸化」したなど、徳川家は懐柔政策に長けています。徳川の行なった諸政策は、日本に於けるオープンで民主的な競争原理を根絶やしにした可能性がある(2002年10月19日つぶやき参照)と考えているので、必ずしも吉宗の懐柔政策も手放しで讃えようとは思いません。しかし今の世界には、このような老獪な考え方も必要なのではないでしょうか。戦後どのように憎しみを忘れさせていくか。このことはアメリカよりもヨーロッパや日本の方が一日の長があるでしょう。

追伸:第2回個人向け変動利付国債、募集期間はいよいよ明日26日の午後4時迄です。リスクの高まっている時代の資産運用として御一考を。