今日は日帰りで近畿まで出張に来ました。新幹線があるので、どこでも簡単に行けます。最近では八戸までも東京から3時間足らずで行けるというから驚きです。新幹線のお陰で昔の事情から考えると夢のような話ですが、果たしていいことばかりなのか、ちょっと気になります。
街の雰囲気や文化は、交通手段が発達してもそう簡単には変わりません。変わらないというのは、外からの影響を受けにくいという以上に、外に対して流出しないで留まるといった部分が大きいのではないでしょうか。一方、経済活動に関しては、交通の便が良くなればなるほど、皮肉なことに外に−東京や近くの大都市に−流れてしまうのではないでしょうか。アメリカの地方都市は、ニューヨークなどに対して文化的にはやや遅れていると思うのですが、経済的にはそれほど落差を感じません。しかし日本においてはそれとは逆の現象を感じます。新幹線が本当にもたらしたものが何なのか?緻密に分析すると面白いかも知れません。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。