アメリカは戦争を始めるでしょうか?もちろん私には分かりません。しかし最近のアメリカ側の動きを見ていると、その決意はかなり強そうです。パウエル長官はダボス会議において、「トラスト・イズ・ブロークン」というフレーズを使っています。イラクとの間の信頼関係は壊れた、という意味ですが、ブッシュと違って思慮深く、バランスも取れた慎重派のパウエルが、しかもアメリカ国内ではなく、ヨーロッパや中東からの参加者の多い会議で、しかもその為だけに態々遥か遠方より飛んできてこのようなフレーズを使ったことは、その決意の深さを窺い知る気がします。
トラスト・イズ・ブロークンというのは単にトラストの状態を表した表現であり、最近壊されたとか、回復が難しいとか、他に何か努力しているとか、そのような広がりや可能性を感じさせない冷たさと諦めを感じます。アメリカの議論は、これはサダム・フセインとの問題であり、イラク国民が相手ではない、ということでしょうが、少なくとも最近の調子は「対フセイン」というよりも「対イラク」色が強くなってきており、「米市民と、世界市民と、イラク市民の為に」というのが本来の立場であるべきですが、その3つ目の部分がほとんど欠落してきているように見えます。世界的信頼(コンフィデンス)水準が下がると、やはり株式市場にはきついですね。