日銀総裁シリーズ3回目ですが、最後に新総裁のもう1つの要件についてつぶやいて終わりにしたいと思います。5年前にできた新日銀法によると、一旦任命された総裁は健康上の理由など特別なケースを除いて、本人が続ける意思がある間は5年間、総裁の職を解かれません。これは凄いことです。昨日も書いたように新総裁は就任時は政権の意思を強く反映するでしょう。しかし政権は5年間も持たない。新日銀総裁は、これから5年間という、現代経済においては極めて長い期間、その強力な権能を維持することが保証されるのです。その間に間違いも犯すでしょう。世論も、政権も移ろうでしょう。それでも国の為に正しいと思われることを選択し、実行しなければいけない。そしてそれを個人のキャパシティーで行なうことがある程度保証されているということは、逆に言うとそういうことがある程度期待されているということです。現代日本において、これだけの個人としての重責が他にあるでしょうか?新総裁は、極めて高いモラルと強い意志が要求されると思います。