私の行っていた学校は中・高6年間の一貫教育の男子校だったのですが、うろ覚えの記憶では高1までは芸術は美術・音楽が両方必須で、高2は美術・音楽・書道から好きなものを1つ選び、高3はこの3つの中から1つ選択しても1つも選択しなくても自由という仕組みでした。私は高3で美術を選択していたのですが、その時の先生(NN先生)が明日まで銀座で個展を開いています。昨日、ほんの20分ほど立ち寄ってみました。戦中・戦後と60年間描き続けてきた中から先生が自選したものです。やはり私の興味を一番惹いたのは私が在校していた6年間の間に描かれた作品です。凛とした空気感の漲るそれらの作品を見ると、私はその当時の先生の精神世界の詮索をせずにはいられませんでした。悪ガキであった私たちを冷静に律していた先生も、やはり生身の等身大の人間であり、自らの激しい心の闘いや、絵に対する熱い情熱があったのでしょう。昨日の先生御本人以上に、20年以上前の先生の精神との再開は、中々おつなものでした。