昨晩は突然のノーベル化学賞のニュースが列島を走りました。物理学賞を受賞した小柴教授は既に10年ほど前から受賞を期待していたようで、ようやく来たかという感じだったのでしょうが、化学賞の田中耕一氏は本当に青天の霹靂だったようで、御本人の驚きの大きさに応じて、世間でもその驚きは新鮮だったようです。
今回の田中氏の受賞は、上場企業の現職研究者だった為に市場にも刺激が走りました。昨晩、夜間でも唯一株式が売買できる当社のマネックスナイターというPTS(私設取引所)では、ちょうど一約定の手数料470円のキャンペーンをしているせいもあり、島津製作所への買いが多く入って来ました。一晩開けた今日のマーケットでは、全般に値が緩い中、島津の株価は一時20%も上昇しました。マネックスナイターが賑わったのは嬉しいことでしたが、私にとって最大の驚きは実は今朝の日経朝刊でした。島津製作所の広告が、しかもタンパク質解析などのバイオ事業の2色刷の綺麗な広告が、載っていたのです。しかも全5段で。あれ程しっかりとした広告がすぐに作れるでしょうか?紙面はどう押さえたのでしょう?たまたま空いたのでしょうか?新聞社の機転でどこかの広告を後回しにして島津の広告を急いで入れたのでしょうか?そんなことが気になった朝でした。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。