残暑が厳しい日々が続きます。流石に暦上は秋なだけあって(だから『残暑』な訳ですが)日没と共に気温は下がりますが、日中の暑さには辟易とすることがあります。
しかし古今集などをパラパラめくってみても、残暑を詠んだ歌はありません。当時は今ほど暑くなかったのでしょうか?クーラーの出現によって室内は涼しくなりましたが、当然熱は外に吐き出され、その結果街は暑くなっているのでしょうか。都心のオフィス街ほど、日中は暑く夜は涼しくなる気がするので、このクーラー説は中々当たっていそうです。しかし吉田兼好も日本の夏の暑さを嫌がるように書いていますから、やはり夏は昔もかなり暑かったのでしょう。すると貴族にとっては、夏の暑さを詠むのはあまり良いことではなかったのでしょうか。確かに「暑い、暑い」と言い散らすのはあまりお行儀が良くありません。ここはやせ我慢して、風の音にでもビックリしながら、涼しくなるのをじっと待つのみでしょうか。