残暑が厳しい日々が続きます。流石に暦上は秋なだけあって(だから『残暑』な訳ですが)日没と共に気温は下がりますが、日中の暑さには辟易とすることがあります。
しかし古今集などをパラパラめくってみても、残暑を詠んだ歌はありません。当時は今ほど暑くなかったのでしょうか?クーラーの出現によって室内は涼しくなりましたが、当然熱は外に吐き出され、その結果街は暑くなっているのでしょうか。都心のオフィス街ほど、日中は暑く夜は涼しくなる気がするので、このクーラー説は中々当たっていそうです。しかし吉田兼好も日本の夏の暑さを嫌がるように書いていますから、やはり夏は昔もかなり暑かったのでしょう。すると貴族にとっては、夏の暑さを詠むのはあまり良いことではなかったのでしょうか。確かに「暑い、暑い」と言い散らすのはあまりお行儀が良くありません。ここはやせ我慢して、風の音にでもビックリしながら、涼しくなるのをじっと待つのみでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。