マスコミによる世論調査の方法には落とし穴があり、その結果は用心深く見る必要があるとつぶやいたことがありますが(2001年7月18日)、今朝はさすがに強く問題を感じました。
NHKの朝のニュース、7時20分ぐらいに「NHKの世論調査」の結果として小泉内閣の支持率などを3分間ほど説明していました。調査の方法は電話による調査で、かけた対象は1800人、有効回答者数は(確か)1089人でした。有効回答者率は約60%ですから、最初の1800人の抽出が仮にある程度分散していても、実際の回答者のセグメントは偏っている可能性があります。そもそもたったの1000人程度の回答を以て、「NHKの世論調査結果」として内閣の支持率を論じるのは如何なものでしょうか?当社でもウェブ上でアンケート調査をすれば数日で数千件のサンプルを採れます。しかしそれを以て世論調査の結果として国の政治を語るのは憚れます。特にNHKの場合は影響力も大きいでしょうし、一般には「正確なもの」としての推定が働きやすいでしょう。悪意があったとは思いませんが、情報発信の重要な担い手、ひいては世論形成の重要な担い手の行動として、どうも釈然としないものを感じました。
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