先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数、香港ハンセン指数は揃って続伸となりました。中国本土指数は非常に強い動きで年初来高値更新を続けており、これまで比較的大人しい動きだった香港ハンセン指数も年初来高値更新となりました。中国本土株は引き続き景気刺激策を期待した株価上昇が続いています。週初は先々週末に中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁が、中国当局はデフレリスクを認識しており、資金を供給していると発言したことや、3月30日(月)に中国当局が2軒目の住宅購入時の最低頭金比率を60%から40%に引き下げた上、住宅取引に対する優遇措置を導入することを発表したことが材料となりました。

また、4月1日(水)に発表された3月の中国公式製造業景況感指数が50.1と市場平均予想の49.7や2月実績の49.9を改善したことや、3月のHSBC中国製造業景況感指数(確報値)が49.6と2月の実績50.7は下回ったものの、速報値の49.2を上回ったことも好感されました。なお、4月3日(金)に発表された3月のHSBC中国サービス業景況感指数も52.3と2月実績の52.0を上回りました。もっとも、中国の経済指標は予想よりは良くなりましたが、まだまだ本格的に回復している状況ではありませんので、引き続き金融緩和や景気刺激策が採られるのではないかとの期待感が高まっています。

香港市場は4月3日(金)が復活祭(イースター)前のグッドフライデーで休場であったため、4営業日の取引となりました。中国本土市場と同様に中国の政策期待で上昇したわけですが、先週は上海市場と香港市場の相互の取引経由で中国本土の資金が香港に流入してきたことが大きなプラスとなりました。香港に上場している中国株(H株)が急上昇している中国本土市場と比較すると割安であることが本土からの資金を誘引したようです。

今週は4月6日(月)が清明節の祝日で中国本土市場、香港市場ともに休日となります。また、香港市場は4月7日(火)も休場です。今週の中国の経済指標ですが4月10日(金)に3月の消費者物価指数と3月の生産者物価指数、3月の新規人民元建て融資額がそれぞれ発表されます。

コラム執筆:戸松信博