上野の国立西洋美術館でプラド美術館展が催されています。春の上野の山はいろいろな花も咲き乱れ、さぞかし趣深いことでしょう。テロ後の航空不況のためにイベリア航空の成田直行便がなくなり、陸路ピレネー山脈を越えてパリから運んだそうで、そのために振動で絵の具が剥げ落ちそうな作品は来られなくなってしまったようですが、それでもきっと素晴らしいコレクションでしょう。松永真さんのデザインしたプラド展のチラシが手元にあるのですが、そこに嵌め込まれている作品群を見るとそれぞれの作風が大きく違うのに気付きます。もちろん画家によって大きな個性があるべきですが、例えばフランスの絵であるとどこか一つの国風を感じますが、スペインの場合は違います。エル・グレコ、ゴヤ、ベラスケス、ピカソ(プラド展には来てないようですが)など、とっても好きな画家達ですが背景に流れる匂いがあまりにも違います。エル・グレコはスペイン語で「ザ・グリーク」、ギリシャ人という意味だそうで格別ですが、地域的にも異文化圏の接点のような場所にあり、実際ラテンとアラブの血が混ざっていたり、或いはピカソのようにパリに行ってしまったりでこのようなことになるのでしょうか。一昨年大阪で開かれたフェルメール展は遂に行き損ねましたが、今回のプラド展は必ず行きたいと思っています。