昨晩マイケル・ブレッカーを聴きました。演奏はとても上手で聴衆もかなり満足のようでしたが、私の心は何故かずっと冷静でした。まず拍手を取るのが下手です。間合いを与えないので観客が拍手を入れにくく、舞台と聴き手の間のコラボレーション(やり取り)が少ないのです。かといって自由奔放に自分の好きなように吹きまくるのかというとそうでもなく、どこか型に嵌めようとしていて自己満足が感じられません。ナシャンテというブラジルの作曲家の曲がステージの中では秀逸だったと思いますが、例えばガトー・バルビエリ(アルゼンチン出身のテナー・サックス奏者。目一杯自己陶酔した演奏で有名。でも私は好きです。)の自己満足度に較べると足元にも及びません。
「完璧な型に嵌よう」とし過ぎて、形が萎えてしまうのではないでしょうか。やはり根はスタジオ・ミュージシャンなのかなぁ。(今日はたくさんの批判のメールを頂きそうですので、予め謝っておきます。「スミマセン。でもつまらなかったんです。」)
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。