最近の日本の経済政策は、悪くなる時にどうやってそのダメージを最小限に食い止めるか、というような後ろ向きの議論になりがちな気がします。良くなる時は放っておいてもいいので、悪い時の対処を考えるのが政治家の責任であるという考え方もあるようです。確かにそうかも知れません。しかし私はちょっと違う見解を持っています。
国の景気・経済の行方の期待値は、「悪くなる確率×悪い幅+良くなる確率×良い幅」と表される筈です。この期待値がプラスであれば人々は景気の行方にコンフィデンス、自信を持ち、結果経済と株式市場の回復に資することとなるでしょう。悪いことばかり考えていると、国会でも新聞紙面でも期待値をマイナスに引っ張ってばかりで、実際に失速してしまいます。これだけ景気が悪くなり、株式市場も下がれば、ここからの期待値はそんなに悪くない筈です。「良くなる時にどれだけそのジャンプの幅を大きくするか」という議論がもっとなされることを期待します。