日本の金融の問題を作ったもっとも重大な理由は「集中」ではないかと考えています。1400兆円と言われる個人金融資産のうち、郵便貯金だけに250兆円、簡保には120兆円もあります。郵貯、簡保も含めた大手金融機関を上から順番に10社も数えると恐らく1400兆円の半分ぐらいがあるのではないでしょうか。そしてそのお金の投資先の判断を下している人達は、似たような教育を受け、似たような背景を持った、数十人の人達ではないでしょうか。全国民のお金の50%と、全国民の0.01%に満たない人達。それでは流石に投資先が偏ります。人は必ず間違いを(少なくともいつかは)起こすものです。一度は正しい判断をしても、常に正しいとは限りません。戦後の規格大量生産を進める時代にはそのような資金配分方法は効率的だったかも知れません。しかし現代のような、常にダイナミックに状況が変化し、かつ多様化が進んでいる時代には、今までのような集中型の金融の仕組みではリソースの最適配分が出来なくなってきているのでしょう。それが経済を閉塞させ、不良債権を作り続けている一大原因だと、私は考えています。