東証における新既上場予定会社一覧を見ていたら「もみじホールディングス」という会社がありました。これは広島県内の2つの銀行、広島総合銀行とせとうち銀行の完全持株会社です。広島総合銀行は普銀転換前は広島相互銀行と言ったのですが、多くの第二地銀が名前を大きく変えた(例えば呉相互銀行がせとうち銀行に)中で、「相互」を「総合」に変えるだけで英語の表記はSOGOのまま変えませんでした。当時、「中々のつわものだな」と思ったのを覚えています。そして今度は「もみじ」。
宮島の紅葉からでしょうか?もみじ饅頭からでしょうか?それとも9月に上場するからでしょうか?古今集に於ては秋歌が一番数が多く、中でももみじが詠まれている歌が一番多いようです。そのように日本人にとってある意味でもっともポピュラーな季語を会社名に使う所などにも、また感心してしまいました。風吹けば 落つるもみぢ葉 水きよみ 散らぬかげさへ 底に見えつつ
(古今和歌集 巻第五 秋歌下 凡河内躬恒)
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。