昨日アメリカの民間格付機関であるS&P社は、日本の生保が予定利率を引き下げた場合は事実上の債務不履行と判断すべきだというレポートを発表したそうです。金融審議会は6月末に、生保が予定利率を引き下げることを容認する方向の中間報告をまとめました。この件についてはかねて私も問題があると唱えてきたのですが、S&Pのレポートは中々ニクい極めて効果的な牽制球だと思います。実物を読んでいないので正確には分かりませんが、恐らくそういう生保や金融審議会の考え方を批判しているのではなく、淡々と「そういうことをすればマーケットではこういう評価だよ」と書いているのでしょう。規制によってではなく、オープンな市場の中での評価・牽制によって選別・淘汰させて行くという、市場経済の原理に則った(のっとった)やり方だと思います。因みに私論では、予定利率を引き下げる前に営業員への手数料や費差、死差などについてまずしっかりと分かり易い形で生保自身が契約者やパブリックに対して説明すべきだと考えています。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。