上り坂を車で急発進する時に、普段よりもやたら強い馬力ととても鋭い加速を感じたことはありませんか?もちろんこれは錯覚の筈です。坂道を上る時だけ馬力が大きくなる訳がありませんし、上り坂の方がスピードが出る由もありません。重力に逆らって坂を上るために後ろに引っ張られる重力加速度と、車の発進によって後方に押しつけられる加速度を混同して感じる為にこのようなことになるのでしょう。
試しに計算してみると、時速100キロまで6秒で加速するスーパーカーの加速度は、「速さ=加速度x時間」なので、秒速28メートル割る6秒で4.6。これは約0.5Gです。30度の勾配の坂を上る際に掛かる重力加速度は、サイン30度でやはり0.5G。う〜ん、中々面白いですね。ディズニーランドのスターツアーズなどもこの錯覚を応用しているのでしょうね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。