昨日は大阪と東京のエスカレーターの違いを書きましたが、文化がどのような経路で伝わったかを見るには峠を見れば分かります。これは確か柳田國男さんが書かれていたのだと思いますが、道がない山を初めて越える時はまず沢づたいに山奥に行ける所まで進み、そこから急に頂上を目指して一気に登って行く。山頂に立つと行くべき方向や町を見定め、迷わずにそこに行けるように尾根づたいに目標点を見ながら緩やかに降りて行く。従って峠の造りを見るとどちらから文化や文明が伝播してきたかが分かるのだそうです。当然ほとんどの峠は京都・大阪側から離れる方向に向かって急に登り緩やかに降りている訳ですが、場所によっては海路によって先に文化が伝播した地域があり、そこから逆流しているケースもあるようです。そんなことを見極めながらゆっくり日本中を歩けたら素敵ですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。