急落した場面のトレンドラインと株価の位置関係
日経平均は順調に上昇してきました。しかし、6月23日に半導体関連株が売られ、日経平均は急落し、2,565円安となり歴代5位の下落幅で終えました。では、日経平均の急落は予想できなかったのでしょうか。注目されるのが、これまで解説してきたトレンドラインです。実は今回も、トレンドラインが株価の天井を示唆する格好となっています。具体的に見てみましょう。
これまで使ってきたトレンドラインは、2025年10月31日の日経平均の終値と2026年2月27日の日経平均の終値を結んで延長したものでした。また、5月7日の急上昇した場面でもこのトレンドラインが上値の抵抗となり、5月20日までの下落につながりました(図表)。一方で、5月27日にトレンドラインを上回ったあとでは、トレンドラインや上向きの25日移動平均線がサポートになり株価の反発につながりました。
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、75日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示
再び、上向きの25日移動平均線付近まで下落する可能性
上記のように、トレンドラインは上値の抵抗や下値のサポートに変化することがありますが、6月23日の急落局面ではトレンドラインが上値の抵抗になっています。トレンドラインは1本だけでなく、何本でも、また何度でも引くことができますが、5月7日の終値と6月3日の終値を結んで延長すると、6月22日の終値とぴったり合致するのが分かります。
このように、日経平均がトレンドラインを上回ることができなかったことから翌営業日となる6月23日に急落が発生したと考えられます。なぜなら、5月7日以降、新たに引いたトレンドラインに株価が到達すると、その後に下落が始まっているというパターンが形成されているからです。
こうした状況を踏まえ今後の値動きを考えると、再び上向きの25日移動平均線付近まで下落することが考えられます。また、25日移動平均線で下げ止まることができれば、中長期の上昇トレンドに変化はないと考えられますが、一方で25日移動平均線や最初に引いたトレンドラインを下回って戻せなくなるようだと、下降トレンドの発生が警戒されるため、売買は慎重に行う必要があると思われます。
モメンタムが示していた急落のサインと押し目買いのタイミングの目途
上昇と下落の勢いを示すモメンタムを見てみましょう。ここでも急落を示唆するサインが出ていました。それは、いつも注意する点として解説している「逆行現象」の発生です。
実際のチャートを見ると、6月22日に大幅高となってトレンドラインに到達したとき、モメンタムの水準は6月3日の水準に届いておらず、右肩下がりとなっていました。こうしたときに、トレンドラインが抵抗となって株価の上値を押さえていたことから、翌営業日の急落につながったのではないかと考えられます。このように、チャート上に発生しているサインを見逃すことがなければ、株価の急落を予想できていたと考えられるのではないでしょうか。
では今後についてです。モメンタムの低下が続くと、上昇の勢いが弱まっていることになるため、5日移動平均線を下回った状態が続いて25日移動平均線に接近したり、下回ったりすることが考えられます。ただ、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回ることなく反転してくれれば、押し目買いのタイミングになることが期待されるため、モメンタムの向きと水準に注意し、売買判断に役立てるようにしましょう。
