先週の中国株ですが上海総合指数と香港ハンセン指数は反落、深セン総合指数、創業板指数は続伸となりました。ただ、値動きはいずれも小幅な値動きとなっています。11月1日(土)に発表された10月の中国公式製造業景況感指数は50.8、11月3日(月)に発表された10月の中国公式非製造業景況感指数は53.8と、前月実績や市場平均予想を下回りました(ちなみに11月3日(月)に発表された10月のHSBC中国製造業景況感指数(確報値)は50.4と速報値から変わらず)。しかし、公式PMIが悪化したことで、いつものように景気刺激策が期待される形となり、中国本土市場は週初、小高くスタートしました。セクター別では鉄道関連、建設関連が刺激策期待で買われました。

しかし、11月5日(水)に発表された10月のHSBC中国サービス業景況観指数は52.9と、9月実績の53.5を下回りました。このことから景気失速懸念が台頭し、利食い売りが先行。さらに11月7日(金)の上海総合指数は一時約2年8ヶ月ぶりの高値を付けるまでに上昇しましたが、メキシコ政府が中国を中心とする企業連合と交わした同国初の高速鉄道建設契約を破棄したと伝えられたことから、鉄道関連が売られる展開となり、週を終えました。しかし、上海総合指数は反落となったものの、下落幅は小さく、上昇トレンドが崩れたわけではないと思います。

香港市場も同じような形で中国の経済指標の影響を受けましたが、こちらは11月4日(火)に10月のマカオの賭博収入が前年同月比23.2%減と大幅減少したことが伝えられると銀河娯楽(00027)や金沙中国(01928)などのカジノ株が大きく売られました。さらに11月6日(木)には中国のパソコン最大手企業である聯想集団(00992)の2014年7-9月期決算で、期待されていたモバイル部門の売上が前年同期比でマイナス成長となったことが嫌気されて大幅安になり、それぞれ相場の足を引っ張りました。今週は11月10日(月)に10月の中国消費者物価指数、10月の中国新規人民元建て融資額、11月13日(木)に10月の中国小売売上高、1-10月の中国都市部固定資産投資、10月の中国鉱工業生産が発表され、相場に影響を与えるために要注目です。

コラム執筆:戸松信博