5月半ばには7900円台まで上昇したフジクラは1885年創業の老舗電線メーカー。2023年末には数百円~100円台の「地味な電線株」でしたが「AIデータセンターの光ファイバー需要」で大化けしました。
先日ダウ構成銘柄を調べていたらキャタピラー[CAT]がずいぶん上昇していることに気が付きました。6月4日に946ドルの史上最高値を付けています。年初来での上昇率はなんと約60%!CATといえば、教科書的には「景気先行銘柄」の代名詞。建機の受注は企業の設備投資意欲を映す鏡であり、CATが買われるのは世界景気拡大のシグナルとされてきました。おっ、これは世界経済が堅調な証拠では?!と調べてみると意外なことがわかりました。
AIデータセンターの建設ラッシュで、米国では電力不足への懸念が膨らんでいます。データセンターの電気需要拡大を既存の電力会社がカバーしきれないことから、データセンター開発業者は自前で発電し電気を自給し始めたのですが、その発電機・タービンの大手がCATなのです。2025年のデータセンター向け発電機売上は102億ドルと全売上の1割を超え、受注残は過去最高の630億ドル(前年比79%増)に達しています。CATの上昇は「米景気が良いから」ではなく「AIインフラ企業」に化けていた、というわけです。
フジクラですが5月14日の決算発表で2027年3月期見通しが市場期待に届かずストップ安、約1週間で高値からほぼ半値まで急落しました。AIインフラ企業とはいえ、どこまでも上がり続けるというわけではなさそうです。CATも予想PER31倍と、建機株のバリュエーションではなくなっているという点には注意が必要でしょうか。
- 大橋 ひろこ
- フリーアナウンサー
-
フリーアナウンサー/ナレーター/個人投資家。福島県出身。アナウンサーとして経済番組を担当したことをきっかけに自身も投資を始め、現在では個別株、インデックス投資、投資信託、FX、商品先物と幅広く投資している。個人投資家目線のインタビューに定評があり、経済講演会ではモデレーターとして活躍する。自身のトレードの記録はブログで赤裸々に公表しておりSNSでの情報発信も人気。一時期は海外映画やドラマの吹き替えなど声優としても活動していたが、現在は経済番組に専念。現在ラジオNIKKEIなどで経済番組レギュラーを多数抱え、キャスターとしても多忙な日々を送っている。
