渋滞の力学については今までに何度もつぶやきましたが、やはりいつも興味をそそられます。中でも一番面白いのが見物渋滞で、事故現場を一目見ようと思う気持ちとここまで待ったのだからゆっくり見てしまおうと思う気持ちが重なって現場の車が不規則に減速し、その影響が大きく増幅されて長い渋滞が出来てしまうようです。
ネットワークのように有機的に繋がっているものの流れは、いわゆる「ネック」(律速因子、或いは段階)によって決定されますが、見物渋滞の場合は容量的には余裕があるのに心理的なものがネックを更に狭くしてしまっています。世の中にはこのように容量や能力を出し切れていない状況というものが多々ある訳で、それを解放してあげるだけでも状況が大きく改善できるケースが無数にあるでしょう。例えば見物渋滞の解決策として、反対側車線との境目に目隠しを立てるというのがありますが、人間関係などにも目隠しが有用な場合もあります。流体力学というのは勉強したことがないのですが奥が深そうですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。