各デパートではお中元の受付けが早くも始まったようです。日本では流通の仕組みに一時期に膨大な量の郵送物がのることが少なくとも年に3回はあります。お中元とお歳暮と年賀状です。しかもこれらの場合、単に流通量が全般的に増えるのではなくて、郵送先の数は増えないが各郵送先(各家庭)宛ての郵送量が増えるという特徴があります。つまり運搬のコストは普段とあまり変わらないのに、郵送量が多く、従って流通業者(最大手は勿論郵便局ですが)の受取る郵送料は高いということになります。これは欧米におけるクリスマス時も一緒でしょう。では郵送料が低くなるかというと、ある人がある一人の知り合いに大量の贈り物をするならば注文時に運賃の値引きも交渉できそうですが、その場ではバラバラといろいろな場所に一つずつの配送を頼むのでそうもいかないでしょう。こういう場面は流通業者にとってはとても美味しい場面です。このような有利な場面をうまくそっと作ることもビジネスの秘訣でしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。