SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が18連騰の歴史的上昇を記録。イラン戦争の停戦交渉が難航する中、原油高など戦争の長期化による影響から遠い半導体セクターにリスクマネーが集中する相場展開と解説されていますが、であるならば停戦合意が事実となった瞬間から、売り込まれていたセクターに資金がシフト=これまで買われてきたセクターへの手仕舞いなどマネーの逆流が起きる可能性にも備えておきたい局面でもあります。大相場に乗り遅れたなら、その次の展開に備えよ、です。

一方、ダウ輸送株指数が4月22日の高値から15%を超える下落を演じています。景気の先行指標とされるこのインデックスの下落は米国経済の先行きを警戒する炭鉱のカナリヤではないか、と注視していましたが、よくよく調べてみると米景気への先行き警戒は必要なさそう。

世界最大級のレンタカー・モビリティ企業のエイビス・バジェット・グループ[CAR]株が3月末の安値から4月22日の高値までなんと約600%もの急騰を見せた後、暴落を演じています。そもそも業績が悪く赤字が続いていた企業ですが3月のPentwater Capital Management LPの大量保有開示=著名アクティビストの参戦がトリガーとなりミーム化した、ということのようです。業績が伴っていないので株高が続くワケもなく、JPモルガンがバリュエーション懸念で格下げしたことで一転下落に転じました。

エイビスを除いた他の輸送株はむしろ非常に強い動き。J.B.ハント、ODFL、ライダー、ランドスターは過去1ヶ月で20%超上昇、CSX、アメリカン航空、アラスカ航空、UPS、デルタ、カービー、マトソンも同じく2桁の上昇です。ダウ輸送株指数の下落は「ダウ理論的な景気悪化サイン」ではなく「1銘柄のミーム株化と投機資金の引き潮」による歪みの解消というわけで、米景気減速のシグナルではありませんでした。ここを読み違えると今後の投資成果に響きますね、米国株市場、強いのは半導体セクターだけではないのです。