宇宙から飛んで来る光を分析して、宇宙の起源の仕組みや、宇宙の年令、大きさなどが研究されて来ました。そしてその研究の前提として、宇宙にある光は全て宇宙の中にある銀河や星から発せられたものであると考えられて来たらしいのですが、その前提がひっくり返るかも知れないそうです。
東大と国立天文台の共同グループが宇宙の全銀河の発する光の約95%を捕捉したけれども、それは宇宙全体で観測される光の2分の1にも満たないというのです。何やら雲を掴むような話ですが、未知の発光源や宇宙の起源の前の光の存在など、いろいろなことが考えられ得るそうです。なんのこっちゃ、といった感もあります。前提が崩れると、全ての研究や努力が無駄になります。しかし一方、ある一定の方向にまず一旦突き進まないと、その方向が合っているか間違っているかも分からないといった面もあるでしょう。大切なのは「方向性」を明らかにし、しかしきちんとその検証を忘れず、間違っていれば方向を修正するということでしょう。政治も含めた人の営みも、もっと自然科学的であるべきでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。