拡大から縮小に転じた日米金利差

日米2年債利回り差(米ドル優位・円劣位)は、3月に入り2.1%台から一時2.6%台へ、最大で0.5%程度大きく拡大した。ただ先週(3月23日週)後半から縮小に転じ、3月31日には2.4%台まで縮小した(図表1参照)。

【図表1】米ドル/円と日米金利差(2026年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

一時160円を超えて広がった米ドル高・円安が、その後158円台前半まで米ドル安・円高に戻したのは、第一には米国によるイラン攻撃の終了期待が手掛かりになったということだろう。しかし、このように日米金利差が縮小に転じた影響もあったのではないか。

振り出しに戻ったFRB利上げ予想

この日米金利差縮小において、相対的に影響が大きかったのは米金利の低下だろう。米金融政策を反映する米2年債利回りは一時4%突破寸前まで上昇したが、3月31日には3.8%をわずかに下回るところまで低下した(図表2参照)。

【図表2】日米の2年債利回りの推移(2026年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

政策金利のFFレート誘導目標上限の3.75%を、一時米2年債利回りが0.25%近くも上回った。これは、この先のFFレート引き上げを先取りし、つまりFRB(米連邦準備制度理事会)の「次の一手は利上げ」を織り込む動きだった(図表3参照)。その米利上げ予想が消える中で米金利が低下し、日米金利差が縮小したことが、イラン情勢を巡る要因とともに、米ドル高・円安一服のもう1つの要因だったのだろう。

【図表3】米2年債利回りとFFレート(2020年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

日銀は4月利上げ予想が再浮上=日米金利差拡大が一服

また、よく見ると日本の金融政策を反映する日本の2年債利回りは、最近にかけて2月の高値を上回ってきた。2月中旬に行われた高市総理と植田日銀総裁の会談で、「高市総理が追加利上げに難色を示した」との一部報道などを受けて後退した日銀による早期利上げ期待が再燃しているようだ。

以上のように見ると、FRBの利上げ予想が振り出しに戻る一方で、日銀の4月の金融政策決定会合での利上げ予想が再浮上しており、日米の金融政策を巡る見方がわずかに変化し、その結果、日米金利差の縮小が進み、一時160円を超えた米ドル高・円安が一服した一因になったのではないか。