行間を読むという表現がありますが、恐らく日本語ほど「行間」の少ない言葉はないのではないでしょうか。これは確か坂口安吾が言っていたことの受け売りですが、日本語には二人称一つとっても数え切れないくらいの言葉があります。おまえ、君、あなた、テメエ、・・。あなた一つとっても更に「あなた」「貴方」「アナタ」では少しニュアンスが違いますし、「あんた」なんていう変形もあります。一方英語では基本的に「YOU」だけです。更に言うと、英語は26文字のアルファベットだけですが、日本語には50音がひらがなとカタカナであり、更に数え切れない数の漢字があります。で、日本語と英語、どちらの方が表現力があるでしょうか?恐らく一緒ですよね。ということは、日本語は文字や言葉で表現し過ぎてしまい、或いは表現していると油断してしまい、「行間」に意味があまりないのでしょう。英語は行間で勝負する。そんな感じでしょうか。そうするとやはり歌唱力や議論する力では、構造的に中々アメリカ人には勝てないでしょうか?
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。