東京でもソメイヨシノが三分咲きほどになりました。3月の東京は他にも紅白梅、桃、しだれ桜、こぶし、木蓮と咲き乱れます。いろいろな木があり、色彩に富むのは代官町通り。桜ならやはり千鳥ヶ淵か、隅田川の言問橋の辺りが風情があると思います。桜は綺麗だなぁとばかり感じていたら、ある時坂口安吾の「桜の森の満開の下」を読んで、あぁこの桜が狂おしく見えるという感覚もあるのだと初めて気がつきました。桜というような単純なものを見てもこれだけ違う感情を持つ訳ですから、人にまつわることについてなら、同じ事象でも見る人によって、よほど違って見えたり、感じたりすることでしょう。寂しくもあり、だから飽きないとも言えるでしょうか。