東京でもソメイヨシノが三分咲きほどになりました。3月の東京は他にも紅白梅、桃、しだれ桜、こぶし、木蓮と咲き乱れます。いろいろな木があり、色彩に富むのは代官町通り。桜ならやはり千鳥ヶ淵か、隅田川の言問橋の辺りが風情があると思います。桜は綺麗だなぁとばかり感じていたら、ある時坂口安吾の「桜の森の満開の下」を読んで、あぁこの桜が狂おしく見えるという感覚もあるのだと初めて気がつきました。桜というような単純なものを見てもこれだけ違う感情を持つ訳ですから、人にまつわることについてなら、同じ事象でも見る人によって、よほど違って見えたり、感じたりすることでしょう。寂しくもあり、だから飽きないとも言えるでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。