ダボス会議には青年部会のようなものがあり、そこに呼ばれてスイスに来ています。スイスはとても特徴のある国です。小さな国ですが永世中立を守り、産業らしい産業もそんなに目立ちませんが、金融とか時計とか、ある分野ではとびきりの強さを持っていて、それが国全体を支えているような気がします。住宅地も市街地も整然としており、清潔で、人気はあまりありません。山あいに続く小さな町と言うか村はどれも似たような感じですが、その一見の貧しさと実際の生活や文明の水準の高さにギャップがあります。恐らく国としてとても賢い国策を取っているような気がしてなりません。あの有名な秘匿預金口座も(ゴルゴ13に出て来るアレです)、通常より遥かに低い金利しか払いませんし、恐らく無縁仏のように引き出し要求が永遠にない口座もかなりあるでしょう。この仕組みは国としてサポートしている筈ですが、国全体として極めて安い資本を手に入れているでしょう。ダボス会議も今では国がサポートしている筈ですが、世界中から2500人もの参加者を集め、その随行者なども含めるとかなりの経済効果もあるでしょうし、何よりもスイスという国の特別な存在意義を世界に印象づける作用がある筈です。賢いですね。我が国は国策がないのが国策でしょうか?
(本日は午前中にシステムのパフォーマンスが大きく低下したことをここに お詫び申し上げます。詳細はHPを御覧下さい。)
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。